1.京都銀行のM&Aアドバイザリー事業の独立とその背景
近年、地方銀行の経営環境は大きく変化しています。少子高齢化による事業承継の課題や、地域経済の縮小が進む中、地方銀行は従来の融資業務だけでなく、企業のM&A(合併・買収)を支援する新たなビジネスモデルを模索しています。その中で、京都銀行はM&A支援事業を分社化し、「京都M&Aアドバイザリー株式会社」を設立しました。

2. 同社のM&A支援事業について
京都銀行のM&A支援事業は、2021年から2023年の3年間で51件の成約を達成し、手数料収入は約20億円に達しました。1件あたりの報酬は平均4,000万円前後と、地方銀行のM&A支援事業としては比較的高い水準にあります。

2024年3月期の売上高762百万円に増加し、成長が継続していることが確認できます。これを踏まえ、京都銀行はM&A事業の更なる拡大を見据え、分社化による専門性強化を決定しました。
3. 2034年に向けた成長戦略:売上高50億円への道筋
京都M&Aアドバイザリーは、今後10年間でM&A事業の売上高を50億円まで引き上げる目標を掲げています。

外部専門人材の積極採用
京都M&Aアドバイザリーは、M&A仲介やFA(ファイナンシャル・アドバイザリー)業務に精通した専門人材を積極的に採用する方針を示しています。地方銀行のM&A事業において、専門人材の確保は競争力を高める重要な要素です。以下は転職情報サイトの募集要項です。


M&Aアドバイザリーを経験した方で、京都へのI/Uターン希望者募集など地域に根差した募集を行っているようです。
4. まとめ
京都銀行のM&A支援事業の分社化は、地方銀行の新たなビジネスモデルとして注目される動きです。M&Aを通じた顧客の事業承継支援と銀行取引の維持という側面を持ちつつ、2034年に向けた売上50億円の達成を目指しています。
今後、地方銀行がM&A業務を本格化させることで、M&Aアドバイザリー業界全体にも変化が訪れるでしょう。M&Aアドバイザーとしてはより一層の契約・交渉スキルの向上、業界特化型アプローチ、DX・AIの活用といった専門性を強化することが求められます。地方銀行のM&A支援事業がどのように発展し、地域経済にどのような影響を与えるのか、今後も注目していく必要があります。
プライマリーアドバイザリー株式会社
代表取締役 内野 哲
コメント